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びわ湖(湖西)遊泳の特徴と対策(暫定)

更新日:2023年10月14日

 夏期も半ばを経過しました。しかし、9月半ば頃までは遊泳が続くため、湖西での遊泳における特徴と対策を、暫定的に以下にまとめてみました。



【よく言われる湖西特有の注意点】

 湖西は、①断層の関係で急に水深が深くなることや、②水の温度差が著しい場所があり、筋肉痙攣や心臓麻痺を起こすことがあるということは、よく言われます。

 また、県外からの利用者の方が事故に遭われているので、③海水ではなく、淡水のため浮きにくいという点も理解が必要です。



【波、風の影響】

1)風向の変化、「比良おろし」

 その他にも、琵琶湖は様々な方向からの風や波があります。

 風は方向が一日で360度変わることもあるほど変化します。泳いでいて流されると、方向を見失うことがあります。

 また、「比良おろし」と呼ばれる陸から湖方向への強い風が吹くことで、遊泳者が沖等に流されることもあります。沖へは風に押されてスイスイ行くことができますが、帰りは風の抵抗により進みにくくなります。


2)三角波

 複数の方向からの波が一つになって、船を転覆させる影響を与える「三角波」と呼ばれる波も発生します。漁師さん等は時折経験されています。フロートなどを利用される際は、転覆の可能性も視野に入れておく必要があります。


3)下方直下への流れ

 また、湖底の冷たい水は水流が速いため上方と下方の速度の差があることや、複雑な風や波の影響により、水中に引き込む渦や水の流れができることがあり、その水流に遭遇すると、一気に下方直下に引き込まれることがあるようです。昔から、琵琶湖は水中から手で足を引っ張られることがあるという言い伝えがあるとのことですが、実際には水流の影響かと思われ、経験談も後を絶たないそうです。

 万一遭遇した場合は、一旦落ち着いて、上方に逃げるのではなく、横方向に移動してから上方に逃げてください。このような水流に巻き込まれる可能性があるという心構えがあるだけでも違うと思います。



【溺れそうになった際の姿勢】(重要)

 溺れそうになった際には、体を水面に対して平行(フラット)にしてください。背浮き、浮いて待てなども同様です。

 体を垂直にしていると、スカーリングという手の動作か、巻き足・踏み足・挟み足等の足の動作を継続し続けない限り、沈む一方です。

 ※救助を求めるシグナルは、手を浜に向かって大きく振ることです。しんどい場合は無理をせず、水平姿勢を保ってください。



【ルールとマナー】

 水辺において、ルールとマナーを守ることは、最低条件です。

 湖西遊泳エリア管理側の方は、「現状ではルールやマナーを守っていれば事故は起きない」という考えを持たれています。一方、大津北署の警察官の方からは、「ルールやマナーを守っていても事故は起こりうるもの」という意見もありました。

 現状では、水中における十分な救助体制が採られていないため、(将来はわかりませんが、少なくとも現時点においては)「水中においては自分の命は自分自身で守らなければならない」との十分な心構えが必要です。



【ライフセーバー】

 湖西の浜の大半は、ライフセーバーが設置されていません。余り指摘されたことはありませんが、それが湖西の事故率を高めている可能性もあります。迅速な救助のためには最低100mに1人以上のライフセーバーの設置は必要です。なお、ライフセーバーの役割は、救助以前に、事故の未然防止とその啓発活動に置かれています。



 近江舞子ライフセービングクラブは、水難事故はいつ起きるかわからないものであり、そのための対策は必要であると考えます。現状では、湖西の浜には、常設のライフセーバーがおらず、水難事故発生時に対応できる体制や人員が採られていません。現状では、「水中に一歩入れば、遊泳者自身が自分で自分の命を守るしかない」のが実情です。

 安全管理のための人員体制が整備されるまでは、まずは、普及啓発活動により、遊泳者自身の注意喚起や自己保全能力を高めることが第1の方策です。

 そして、もっと安全な条件でもライフセーバーが設置されている浜やプールは沢山あることを踏まえると、琵琶湖(特に湖西)におけるライフセーバーの拡充とその方法を模索していくことも必要であると考えます。



近江舞子ライフセービングクラブ

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