top of page

湖東地域の水泳場の現状と課題

更新日:2023年10月14日

◆琵琶湖・湖東地域の水泳場の現状と課題

 湖西地域の水泳場の現状と課題の概要については、先に見たとおりです。今回は湖東地域の水泳場の現状と課題について触れてみたいと思います。


 湖東地域の水泳場には、南から、守山なぎさ公園、マイアミビーチ、牧水泳場、宮ヶ浜水泳場、新海浜水泳場、松原水泳場、南浜水泳場等が挙げられますが、現在、開設されているのは、マイアミビーチ(キャンプ場)と宮ヶ浜水泳場の2か所のみで、他の水泳場は開設されていません。  その経緯等について、以下にまとめました。


(1)守山なぎさ公園(守山市)  マリオットホテル前にある「守山なぎさ公園」。BIWAKOのモニュメントが設置されている観光スポットです。現在は水泳場としては閉鎖され、公園として利活用することになったようです。名称も「野洲川河口公園」と変更され、都市公園湖岸緑地管理事務所により管理されています。夏場においても、遊泳客はほぼ見当たらず、水草(藻)も一体に生い茂っています。


(2)牧水泳場(近江八幡市)  遠浅の浜で、砂は赤銅色でフカフカしています。  「56beach」というジェットレンタルの店舗が15年前からあり、休日は主に大阪からジェット目的に来られる客層で占められています。今年は死亡事故が発生しました。  水泳場としては開設されておらず、遊泳者は東側の公園前で水浴び等をするようです。  「56beach」の方にお話を伺うと、ゴミなどの漂流物が多く、中には釣客の”ルアーや釣り針”もあり、定期的に清掃を行われているとのことでした。


(3)新海浜水泳場(彦根市)  地元の自治会で運営されてきた浜です。遠浅で沖合200m位までは足がつきます。地元の方にお話を伺うと、「4年間水泳場として開設していない。4年前までは彦根市から年間200万円の助成金が交付されていたが打切りとなった。また、水草等の漂流物の回収も県は対応してくれなくなり、浜は荒廃していく一方。」とのことでした。  彦根市観光交流課の方に伺うと、「事業精査の中で浜への予算は打ち切りとなった」とのことでした。  また、県湖東土木事務所管理調整課によれば、水泳場で無くなれば”河川”という扱いになる。「流木」は自然のものなので県は回収しないのが原則で、これまでは回収の対応をしてきたが、「流木」については原則に戻し、住民さんの方で、配布している「ボランティア袋」に入れて、彦根市清掃センターと調整してもらいたいと投げかけている、とのことでした。なお、ペットボトルなどの人工的なゴミは、彦根市が回収されるとのことでした。


(4)松原水泳場(彦根市)  毎年、鳥人間コンテストが開催される浜です。以前は、彦根市観光交流課が、水泳場を直営で開設し運営されてきたようです。しかし、施設の老朽化に伴い、水泳場関連施設については更新しないことが決定され、事業精査の中で水泳場事業は打ち切りになったとのことでした。


(5)南浜水泳場(長浜市)  遠浅ではなく、すり鉢状の水泳場です。  以前は、長浜市文化観光課で公設の水泳場として開設されてきました。しかし、近年の遊泳客の減少や、費用対効果(人員配置、管理体制)による事業精査の中で、水泳場事業は廃止となったようです。現在は、県が敷地の管理をしているのみとのことです。  また、水温の上昇により繁茂する水草(藻)の対応については、水泳場開設当時は県が刈り取りをされてきましたが、今は南湖の藻の刈取りに集中しているため、手つかずとなっているようです。  なお、2025年の国体では競技開催が予定されているため、国体用に一定の整備は予定されているとのことです。


(6)水草(藻)の刈取り  琵琶湖の水草については、県環境部で対応されています。住民の生活環境への影響を考慮し、主に水深の深い箇所の水草に対応されています。  刈取りの方法は2つあります。1つ目は、「根こそぎ除去」と呼ばれるもので、「マンガン」という漁具を使用し、深い箇所の水草を除去します。漁港に委託されており、2週間に1回協議を行い一年中実施されているようです。2つ目は、「表層(1~1.5m)を船舶で刈取る方法」で、夏から秋にかけて実施されています。  沖合20~50mあたりは手を付けられていないため、水泳場等の浜辺については、水泳場開設者等により個別に専門業者に委託して刈り取る必要があるようです。


(7)須磨海水浴場(参考)  関西屈指のビーチである須磨海水浴場については、神戸市港湾局が開設し、浜の管理等は地元のライフセービングクラブに年間(一夏)730万~1200万円の随意契約(HP:「神戸市港湾局の随意契約結果」公開分参照)として委託されています。


(8)まとめ  琵琶湖湖東については、かつて公設で運営されていた水泳場も、事業精査の中で相次いで廃止となり、浜の管理も手薄となり、浜への漂流物や、水中の水草(藻)の繁茂により、遊泳に適さなくなりつつあります。この現状をどのように受け止めるのか、このまま湖東の水泳場は河川化されていくのか、あるいは、民営の水泳場としての担い手が現れるのか等、住民や利用者としての検討課題もあるように思われます。  湖西については、主要な水泳場は5か所程度ですが、利用者が限定されるプライベートビーチも含めると30か所近くもあるようで、湖西一手になる傾向があります。現在、水泳場の安全管理・監督は、県警で担われています。  他府県の例も踏まえ、今後、運営方法の観点からも検討が必要かと思われます。


近江舞子ライフセービングクラブ




閲覧数:18回0件のコメント

Comentarios


bottom of page